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1990年のソ連・東欧の崩壊によってマルクス経済学は破綻したのか? 中国は、「社会主義国」なのか、それとも資本主義国なのか? Communismは「共産主義」ではなく共同体主義ではないのか? その共同体には人間以外のさまざまな生物も棲息するが、あらゆる生物がバランスよく棲息するためには、どのような社会システムがのぞましいのか? それは資本主義か、それとも新たな社会システムを模索するなかでつくりだされるものなのか? 1960年代、マルクス経済学の世界を席巻した宇野理論は、旧左翼の硬直化した『資本論』理解の枠組みを解体し、新たな経済学方法論の理論的体系を確立したといえる。宇野理論の特徴をなす経済学方法論は、原理論を基礎に段階論を踏まえて第二次大戦以降を現状分析の対象として位置付けるものだが、これは資本主義を類型化した枠組みに当て嵌めようとするもので、この方法によっては複雑化した現代資本主義分析は不可能であるとして異を唱え、独自の方法論?世界資本主義が非資本主義的世界を資本主義的に世界市場編成していく過程を内面的に叙述する方法?を展開したのが岩田弘の世界資本主義論である。はじめは鈴木鴻一郎の経済学大系のなかに位置づけられてスタートしたが、宇野理論が徐々に変質していくなかでソ連邦の崩壊を真摯に受け止め、マルクス経済学の再生に向けて渾身のエネルギーを込めて書き下ろした論考が本書第1部である。
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