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『孫子』の魅力は、戦略戦術論が、人間に対する深い洞察によって裏打ちされているところにある。そのことが『孫子』に、現在なお豊かな応用可能性を与えているのだ。たんなる戦略戦術の兵法書としてだけでなく、人間関係の書としても、経営戦略の書としても読めるところに、『孫子』のあやしげな魅力があると言えよう。『孫子』は中国最古の、かつ最もすぐれた兵書である！私が『孫子』から学んだ最も面白い部分は、「兵は拙速なるを聞くも、未だ巧の久しきを賭ざるなり」という箇所である。『孫子』を読んだ人と読まない人を比べれば、読んだ人の方が絶対に得である、というのが私見だ。──渡部昇一（「解説」より）
891-(税込)
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