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| 1.合成から構造制御,ファブリケーションの時代へ最近の10年間で,新材料の開発の方向性は急激に変わりつつある。20世紀は,コモディティケミカルズを大量に合成する時代であった。しかし,先進諸国では,すでに製品の対象がスペシャルティケミカルズ,構造化材料,そしてデバイスへと移り,応用分野も電子材料,環境材料,健康・医療分野と多岐に渡っている。一方,最近のナノテクノロジー開発も,このような材料開発の変化に拍車を掛けている。従来,製品に新しい機能を求める場合,新材料の創成に頼っていた。しかし,最近,ナノ材料のサイズ,形状,高次構造を制御することでも新たな物性が発現することがわかってきた。そのため,製品開発における構造制御の位置づけが極めて重要となりつつある。すなわち,図1に示すように,20世紀が新物質創成の「合成」の時代であったのに対して,材料のサイズ,構造の制御が重要な「プロセッシング」「ファブリケーション」の時代に入ったということができる。現在,経済産業省で進められているナノテクノロジープログラムにおける,ナノ金属,ナノガラス,ナノ高分子,ナノ粒子合成,ナノコーティングに関する各プロジェクトは,製品対象は異なるが,いずれも核発生・成長,あるいはスピノーダル分解過程を経て形成される相分離構造を制御するという視点で開発が進められている。1次構造,2次構造,3次構造を制御する研究が進められ,様々な新規構造制御材料が提案・開発されている。このような構造制御を行う上で重要な視点は,マクロなスケールでの伝熱や流動,物質移動の速度論であり,またその制御プロセスである。上記のナノテクノロジープログラム「材料技術の知識の構造化プロジェクト」では,材料系によらずに,「プロセス」と「構造形成」の関係を明らかにする研究を進めている。ナノ材料を幅広い産業分野に応用していくことを考えれば,そのナノ材料を組み立て,ナノデバイスへと展開していく「アドレッシング(設計通りの配列)」技術が必要であることは明らかである。フラーレンやナノチューブ,あるいはCdSe,CdSのようなナノ材料に,特異な電気特性が現れることが見出されているが,それをデバイスに組みこんでいくためには,それらのナノ材料をデバイスチップ上にアドレッシングし,アセンブルしていく技術が必要である。
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